サラントンネル

アフガニスタンの首都カーブル(Kabul)の北、約100kmに位置し,首都と北部の都市マザリシャリーフ(Mazar-e-Sharif)を結ぶ幹線道路に位置する。数少ない交通路として、古くから往来が活発であったが、ヒンドゥークシュ(Hindu Kush)山脈の険しい地形のため冬期間はもちろん夏期においても車輌の通行は困難であった。(このトンネル以外に車輌の往来した道路に関しての情報は持ち合わせていないが。)
このため、1964年に、隣国のソビエト連邦の支援によりヒンドゥークシュ(Hindu Kush)山脈の山腹にこのトンネルが建設され、幹線道路としての機能は大幅に向上した。全長約2,600mのサラントンネルの標高は約3,350mで、建設後の補修が適切に行われ無かったために,トンネル内の路面は荒れ果て,内部照明,換気装置もなく,トンネル内では車の窓を閉め切って走行することが必要であった。このトンネルの建設される前にも南北の交通はあったと思うがヒンドゥークシュ山脈(トンネル上の標高は低い箇所で約3,800m) を越えるには,通行可能な期間は積雪のために大きな制限を受けていたであろうと想像される。
このトンネルはソビエト連邦の支援によって建設されたが,皮肉なことに1980年代、ソビエト軍はこのトンネルを通って首都へ侵攻することとなった。

トップへ戻る